「その人らしさ」が芽生えていく

 

「さあ、今日は何をしようか」田んぼや林に囲まれた、すきま風だらけの
ちいさな小屋から、今日もこどもたちの元気な声が聞こえてくる。
林の中のでこぼこ道を、一日中、駆けまわっている子。
うちわをぱたぱた、火起こしをする子。
時には、ぶつかり合うことも。
あの子とあの子の、真剣なまなざし。
みんな、泣いたり、笑ったり。
スタッフは、大笑いでこどもと追いかけっこしている。
焚き火を囲んでお鍋をことこと、お母さんたちはおしゃべりが楽しそう。
トントンギコギコ、なにつくろうか。
気づけばこどもそっちのけで、手元に没頭してるあの人の横顔。
ひとつひとつは、何気ないことばかり。
だけど、ここでの日々を繰り返していると、ひとりひとりから、
「その人らしさ」が芽生えていくのを感じる。